相続放棄前にやってはいけない行為——「単純承認」とみなされて相続放棄できなくなるケース
相続放棄をする前にやってはいけない行為と、法定単純承認とみなされて相続放棄ができなくなるケースを解説する。
「単純承認」とみなされると相続放棄できなくなる
相続放棄をする予定があっても、一定の行為をしてしまうと法律上「単純承認」(プラスもマイナスも含めてすべて相続する意思表示)をしたとみなされ、その後に相続放棄の申述をしても認められなくなる。負債が多い相続で最も注意すべきポイントの一つだ。
単純承認とみなされる代表的な行為
- 被相続人の預貯金を引き出して使う:生活費や葬儀費用であっても、遺産の「処分行為」とみなされるリスクがある
- 被相続人名義の不動産を売却・賃貸に出す:相続財産の処分行為として単純承認とみなされる典型例
- 形見分けの範囲を超えた高価な遺品の取得:経済的価値の高い遺品を私的に取得すると処分行為と判断されることがある
- 被相続人の債務を一部でも支払う:借金の返済も「相続を承認した」と評価されることがある
単純承認とみなされない行為
- 葬儀費用を社会通念上相当な範囲で支出する:一般的な葬儀費用の支払いは処分行為に当たらないとされる傾向がある
- 形見分けとして経済的価値の低い遺品を受け取る:写真・衣類など市場価値のないものは問題になりにくい
- 被相続人の家の管理(保存行為):家屋の維持管理のための最低限の行為は認められる
負債の可能性がある相続では慎重な対応を
被相続人に借金がある可能性が少しでもある場合、相続放棄の判断が固まるまで預貯金の引き出しや遺品の処分は控えるべきだ。判断に迷う支出があれば、行動する前に司法書士・弁護士に相談することがトラブル回避につながる。
まとめ
相続放棄を検討している間の何気ない行動が「単純承認」とみなされ、放棄自体ができなくなるリスクがある。負債の有無が不明な段階では、遺産に手をつけずに専門家へ早めに相談することが重要だ。
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